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Close your Eyes ep.100-6



HP『Sweet Drops』用に書かれた作品になります。原文のまま転記したので長文になります、ご了承ください。












続々と招待した人々が集まってくる。いつもなら余裕のある駐車場も今日は狭いと感じられるほどだ。

昼ごろにはほぼ全員がそろい、まだ陽も高いうちからこの日のためにと用意しておいたアルコールを囲んでいた。

絶え間なく聞こえる笑い声。まるで大家族だ。数えるほどしか逢ったことのない人でも、初めて逢う人でも、なぜか懐かしく感じられる。

祖父もまた、今日初めてヨンウンに出会うこととなった。話には聞いていた育ての親。謝罪と感謝の言葉を告げてはみたが、堅苦しいのは嫌いだと酒を飲み交わすだけ。しかし、それでも充分だった。

あっという間に時間は過ぎ、いつのまにか空は暗くなり、星が瞬き始めていた。

「今日はずいぶん賑やかですね」

出迎えに来てくれたミヌにそう告げれば柔らかな微笑み。そして小さな首肯が返ってきた。

「ジンたち、朝からずっとお酒飲んでるからかなり酔っ払っちゃってるみたい。ジンの酔うトコ、初めて見ちゃった」

楽しげにそう語りながら屋内へと促す。確かに何度も一緒にお酒を飲んでいるが、酔っ払っているところは見たことがない。

少しだけ期待に胸を膨らませながら、ジェジュンは持ってきたプレゼントを握り締めた。

広い玄関も今日は靴で埋め尽くされている。駐車場を見てわかっていたことだが、それ以上の人数だ。それをもてなしているミヌはさぞかし大変だろうに、その素振りさえ見えない。

「僕にできることはありますか?よければお手伝いしますけど」

「大丈夫、ヘソンもアンディも手伝ってくれてるから。ジェジュンさんはジンと一緒にいてあげて。きっと喜ぶから」

「…はい」

本当に、なんて心の広い人なのだろうか。ジンが楽しければそれでいい。そういった思いが言葉の端々から感じられる。

ぞろぞろとミヌを先頭に階段を上れば、広いリビングにはたくさんの人たちが集まっていた。その中心にいるのはもちろんジンだ。

「…」

「うわ~…」

その声は背後から聞こえてきた。しかし、振り返ることもできない。視線はただ一箇所に固定されていた。

「ジェジュン兄さん、理性が試されてるみたいだよ~?」

にやにやと笑いながら覗き込むチャンミンをきつく睨みつける。わざとらしく肩をすぼめて見せ、チャンミンは賑やかな笑い声に負けないようにと声を張り上げた。

「ジン兄さ~んっ!」

見事なほど通る声。その声は確かにジンの耳へ届いたようで、くるりと顔だけが振り返った。

「じぇじゅんくんら~っ!」

満面の笑みを浮かべたジンの頭の上にはピンク色の大きな帽子。その帽子からは茶色い2本の角が立っていた。

「トニートニーチョッパーがいる…」

日本で活動することの多い5人。そのキャラクターが出ているアニメ番組はお気に入りでもあった。呆然とする5人をよそに、着ぐるみのような服をまとったジンが変な足音を立てながら駆け寄ってくる。

いつもならなんなく受け止められるが、今日ばかりは受け止めきれずに身体が後ろへと流れる。倒れそうになったジェジュンの身体をユノが支え、倒れることだけは免れた。

「ジン兄さん、その格好…」

「えりっくあにきにもらたの~!にあう~??うぉんたくとおそろい~」

同じ頃、隣ではユチョンの足元に寄り添うウォンタクの姿。サイズはだいぶ違うがジンとまったく同じ格好だ。抱っこをせがんでいるようで、両手を一生懸命ユチョンへと向かって伸ばしていた。

「ジェジュン、ここは堪えろ…」

本当にもういろいろとギリギリだ。少しでも気を緩めたらここにいる全員にひかれてしまいそうだ。ユノの忠告が耳には入っているものの、頷くことさえできない。

しかし、ジンはお構いなしだ。酒のせいもあるのだろうが、人の目など気にもしないでジェジュンへと擦り寄る。試されているというよりは、誘われているようにしか思えない。

「ちょうどいいや。ジェジュン君、いったんそのままジンを部屋まで連れてってくれるかな?かなり飲んじゃってるから」

ジェジュンを信用しての言葉だろうが、いまは鬼のようにしか感じられない。しかし、断ることもできなかった。若干引きつった表情で答え、ジェジュンは気力を振り絞るようにジンを抱きかかえた。

もたれかかるジンに悪気などないし、打算もない。足早に長い廊下を進み、ジェジュンは部屋の扉を閉めると深いため息をついた。

「ジン兄さん、大丈夫ですか?」

「だいじょ~ぶ~。じぇじゅんくんもいっしょにのむの~」

「ちょっと休んでからにしましょうね?」

駄々をこねるように激しく頭を振る。するとお酒の回っている身体は制御を失い、不意に揺らめいた。慌てて落ちそうになった身体をジェジュンが支え、それが楽しかったのかジンが声を立てて笑う。

これでは本当に酔っ払いだ。いったいどれだけ飲んだというのだろうか…。

とりあえずとベットへ身体を横たえ、帽子をそっと外す。やはり、少し苦しかったのだろう。小さく息をつき、ふわりと微笑んだ。

「少しだけ寝ましょうね?」

「じぇじゅんくんは~?」

「僕もここにいますから大丈夫ですよ」

安心したように頷き、きゅっと手を握る。ふと、握ろうとしたその手にあった小さな包みを見つけ、不思議そうに首をかしげた。

「クリスマスプレゼントです」

閉じかけていたまぶたが開き、瞳を輝かせる。覚束ない指先で一生懸命開けようとする姿に微笑み、優しく髪をなでた。

「し~でぃ~なの~っ」

「はい。やっぱり、ジン兄さんに何かを贈るなら手作りのものを贈りたくて」

自分にしかできないこと。それはやはり歌うことしかない。忙しいスケジュールの合間を縫って作り上げたオリジナルの曲。ただひとりのために作り、歌い上げた。

「きく~っ!」

いますぐに聴きたい。その意思を汲み取り、起き上がろうとしたジンを制しながらCDを持って立ち上がる。コンポの電源をいれ、出てきたCDトレイにディスクを入れると設置されたスピーカーから音が流れ始めた。

ベットの上で身を寄り添わせ、音へ意識を傾ける。ピアノの透明な音色と優しい歌声。春の柔らかな風のような幸せが細胞ひとつひとつにまで浸透していく。

「じぇじゅんくん…」

名を呼ばれて振り返れば、熱に浮かされたようなふたつの瞳。何を求めているのか、その表情を見ればわかる。顔を近づけていくとゆっくり下がっていくまぶた。唇が静かに重なり合っていった。

「ジェジュン、大丈夫かな…?」

賑やかな酒の席。来て早々に消えてしまったメンバーを思う。しかし、心配なのは彼本人ではなく彼の理性だ。ジュンスの問いかけにユノは小さく息をついた。

「信じる…しかない」

確かにその通りだ。しかし、怖くて確かめに行くこともできない。できることは、出てくるのを待つことだけだ。

「ユノ様!」

突然、聞こえてきた声。その呼び方をするのはひとりしかいない。振り返れば案の定、チュンジェが佇んでいた。そしてその脇にはもうひとりの男性。病院で何度か見かけたことのある人だ。

「こんばんは、チュンジェさん」

昨日の一件で、だいぶ心の距離は縮まったようだ。挨拶にも躊躇いはないし、笑顔も強張っていない。

「こんばんは。ぼ、帽子…使ってくれてるなんて、ホントに嬉しいです…」

恥らうように頬を赤らめながらそう告げる。その様子にヴァネスは一瞬だけ眉をひそめた。はっきり言って、こういう勘が外れたことはない。

チュンジェはユノの隣へと腰を下ろし、ヴァネスは招かれるままジフンの隣へと腰を下ろした。背は向けているものの、耳はチュンジェへと傾けられているのは言うまでもない。

「これ…お礼と言ってはなんですけど、プレゼントです。よかったら使ってください」

「あ、ありがとう…っ」

まさかプレゼントを用意してきてくれているとは思わなかった。それだけに喜びもひとしおだ。幼い笑顔を浮かべ、プレゼントをぎゅっと抱きしめる。

「チュンジェさんはホントにユノ兄さんが好きなんだね~?」

「え!?あ、そ、その…うん、好き…」

照れながらも想いを隠すことなく、小さく頷く。その瞬間、少し離れたところでパリンという乾いた音がした。賑やかだった空間が一瞬だけ静まり返る。

「ヴァ、ヴァネス!」

「あ…悪い。かかったか?」

「そうじゃなくて…っ」

振り返れば砕けたガラスの破片。そして床にはおそらくグラスに入っていたと思われる液体が広がっていた。

「ヴァネス!」

床に広がった透明な液体へポタリ、ポタリと落ちる深紅の雫。目を瞠り、チュンジェは慌ててヴァネスへと駆け寄った。

とりあえずと片付けはヘソンたちに任せ、ジフンはヴァネスを連れて部屋へと向かった。その後を救急箱とユノからもらったプレゼントを手にチュンジェがついていく。

「外科医が手、怪我してどうするの?」

「片手くらい使えなくても…」

問題ないと言おうとし、ようやく不便性に気づく。これでは仕事にならない。しばらくオペはもちろん、簡単な処置すらできないだろう。

「参ったな…」

「ヴァ、ヴァネス、大丈夫?痛くない?」

「大丈夫だから心配すんな」

無事なほうの手で不安げに見上げてくるチュンジェの頭を撫で、いつもの笑みを浮かべる。

「痛みは?」

「ちゃんとあるし、動くから問題ねぇよ」

「まったく…いい大人なんだから後先考えて行動しなよ」

どうやらジフンは自分がグラスを握りつぶした理由をわかっているようだ。苦笑を浮かべ、不思議そうに首をかしげるチュンジェの手をそっと握った。

「とりあえず、その手じゃ帰れないだろうから今日はこの部屋使って。明日、送ってくから」

「悪いな」

「悪いと思ってるなら自重して。ジンみたいにならないように」

言い返すこともできず、ヴァネスは了解と低い声で呟いた。静かに扉は閉ざされ、まだ不安に揺れるその瞳を見つめる。そしてそっと唇を重ねた。



外はしんしんと雪が降り積もる。

僕の中には君への想いがひらひらと降り積もる…。










writte. by yue
『Close your Eyes』シリーズがep.100をこえました。あと残すところep.10くらい?長いな~、と、本人達も思っております。
ジンとドンワンとミヌの関係ですが、前々からお伝えしているようにお互いを認め尊敬しあう関係で、愛し愛される存在のまま続いております。作品には書かれていませんが、する事はしていますし、いちゃいちゃもしています。
さて、このシリーズが終わると定期更新もなくなります。HP『Sweet Drops』で書いていたお話のストックは、書き途中のもの以外存在しなくなります。ご主人様yueとペットminyuminyuの2007年?から5年程の執筆活動の全てが公開され、終わりではありませんが、一区切りつく予定です。
どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

そして、幕張にはご主人様yue様とともに会場近くのホテルに泊まり(ダさいたまなのに笑)両日参戦予定です。もしお会いできる方や、興味がある方は、どうぞ気軽にコメントをしてください。今現在オレンジクッションなんぞをプレゼントしたお友達2名様と会う予定です♪
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テーマ : BL小説 - ジャンル : 小説・文学

コメント

ありがとう(^.^)(-.-)(__)

眠っていたお話を起こしてくれてありがとう(^.^)(-.-)(__)
ここでシナ以外の第一世代のアイドルも知りました。
毎日の更新大変でしたでしょうに、時には催促なんかしちゃったりしてごめんなさいね~~だって楽しみだから~(*^^*)
後10ep だなんて寂しいけれど、きっとシナあるかぎりこの先ゆっくりとでも執筆活動をしてくれると信じてます!
シナ20周年もあることだし、きっと面白いことがまだ続くでしょうから、指が疼くと願っていますよ~☆
そしてこの先のお話の中にじんわんみんのいちゃいちゃ話がないようなら、最終章として書いてくれたら嬉しいなと思っています~(笑)
これは私のわがままです~(笑)
さて明日も楽しみ~~♪

kumin様に同感

私もこちらのお話のじんわんみん(とくにじんわん)が好きで読んでいたので、ジェジュンが出てきてからは、なんとゆーか…複雑な気持ちが大きくて…悲しくて…
特に最近は読めない話もありました…
自殺をしようと思ったジンと一緒に海に入って死のうとしたドンワン…そんなことがあった2人なのに、最近はあまりお見かけせず、ジェジュンに持って行かれっぱなしで…泣
なので、最後に…じんわんみんの昔のようないちゃいちゃが読みたいな…と…私も勝手なお願いですm(__)m
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