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Close your Eyes ep.91-1



HP『Sweet Drops』用に書かれた作品になります。原文のまま転記したので長文になります、ご了承ください。


私事ですが、昨日携帯を変えました。結局、androidのままなのですが・・・機械音痴かつ、SHからSOに変更し、操作が全く分からず、いまだ中身はすっからかん・・・2年前も同じだったな・・・。LINEもTwitterもFacebookもまだ移行させてないし、とりあえずInstagramだけは完了。あ~。はやくSHINHWAの写真でいっぱいにしたい!
とりあえず旧スマホも持ち歩くので不便はありません。LINEも旧スマホでやりとり出来るので、急がず慌てずのんびり移行させていこうかと思います。私個人のBLOGのお話も旧スマホに保存してありますが、後々移動させますのでご安心くださいませ。












不意にこみ上げてくる想い。

この空を見ると、どうしても君に逢いたくなる…。


 
窓越しにぼんやりと空を見上げていた。今日は生憎の空模様。朝からしとしとと冷たい雨が降り続いていた。

なんとなく寂しい。

けれど、いまこの家には自分しかいない。こんな日に限ってみんな仕事だ。しかも、いま逢いたいと思っている人はここでいくら待っていても来てくれない。

「…」

むくりと立ち上がる。そしてメールを作成しながらジンは1階へと下りて行った。しばし玄関に佇んで作ったメールを送信し、隅っこにあった傘立てから1本取り出す。鍵を閉めたジンは降り注ぐ雨の中、小走りに去っていった。

ひとりで外出してはいけないとホンマンから口酸っぱく言われていた。しかし、今日は迎えに来てくれるのを待つこともできないほどジンは彼を求めていた。

雨煙る街をひたすらに歩いていく。傘を目深に差し、俯きがちに歩くその姿はどこか悲しげでもあった。

確か、今日はずっとアルバムの打ち合わせで事務所に缶詰だといっていた。昨日の電話でのやり取りを思い出しながら迷うことなく事務所へと向かう。

ようやく彼らが所属するプロダクションビルが見えてきた。傘の水を切ってからたたみ、警備員に会釈しながら中へと入っていった。

いくつかある会議室を覗き込んでいくと、一番奥の部屋に彼の姿はあった。沈んでいた瞳が一瞬にして輝きだす。

仕事の邪魔をしてはいけないと廊下に設置されたソファへと腰を下ろし、ガラス越しに見える彼へと絶え間なく視線を注ぐ。

「…?」

思えば、こうしてまじまじと彼のことを見たことがなかった。知り合ってから間もないし、恋人になってからも日が浅い。まだ知らないことのほうが絶対的に多いだろう。

そして今日初めて気づく、小さな仕種。何度も繰り返されるその行動にジンはゆっくりと首をかしげた。真似するように指を唇に当てて噛んでみるも、やはりその理由はわからない。

この時間に連絡がつきそうな人と、すぐに思い浮かんだのは遠い国にいる手のかかる弟だった。メールを打とうとしてみたが、なんと書いていいかわからない。すぐに諦めたジンは電話へと切り替えた。

予想通りすぐに応答があり、早速本題へと入る。そして返ってきた言葉は”口寂しい”という簡単な意見だった。確かにそういわれてみればそうかもしれない。

『キスでもしてやればイイんじゃね?』

さらりとそう言ってのけるユファンにしばし呆然としながらも、それならばできそうだと頷いた。しかし、彼はいまだガラスの向こう。打ち合わせが終わるには時間がかかりそうだ。

ころんとそのままソファに身体を横たえ、じっと視線を注ぐ。しかし、だんだんとまぶたが重くなっていく。その流れに逆らわず、ジンはゆっくりとまぶたを閉じた。

妥協を知らない面々が揃っているだけに、なかなか折り合いがつかない。気づけばすでに夕方。さらに言うならば食事も取っていない。

いったん休憩を入れようという言葉に席を立ち、扉を開ける。そしてピタリと先頭を切って歩いていたユノが足を止めた。

「…ジェジュン」

「…?」

突然名を呼ばれ、首をかしげながら歩み寄る。そして肩越しに廊下を見遣ればそこには無防備な姿で眠っている愛しい人の姿があった。

「ジ、ジン兄さん!?」

今日、逢いに来るなどという話はきいていない。携帯電話をチェックしてみたが、やはり着信もなければメールもなかった。

慌てて駆け寄り、その身体を抱き起こせば震えたまぶたがゆっくりと開いていった。

「ジェジュン君だ~…」

のんきにそう呟き、まだ重たいまぶたをこじ開けるように手でこする。ひとつため息をこぼす。呆れる反面、逢いにきてくれたことに心が温かくなっていく。

「ジン兄さん、こんなところで寝てたらダメですよ?」

こくっと小さく頷き、ジェジュンの胸へと頭を預ける。しばらくそのまま動きを止めていたジンは、何かを思い出したように勢いよく顔を上げた。

危うくあごに頭突きを食らうところだった。間一髪頭を避け、ジェジュンは見上げるその瞳を覗き込んだ。

「ジン兄さん?」

いまは口元に指はない。当然だ。その手はいま、自分の身体を支えていた。口寂しくはないということなのだろう。

「とりあえず移動するぞ?」

「あ、うん」

確かにいつまでもここにいたってしょうがない。支えながらジンの身体を起こし、その手を握り締める。

「これからゴハン食べに行くんですけど、ジン兄さんも一緒に来てくれますか?」

答える代わりにおなかが小さく音を立てる。空いている手で腹部をさすり、ジンは小さく首をかしげた。

そういえば、朝ごはんを食べたきりだ。せっかくミヌが作り置きしておいてくれたお昼をすっかり忘れていた。申し訳ない気持ちを抱きながらも空腹には勝てない。

「お腹空いた~」

子どものような言い種に笑みを深め、やさしく手を引く。

「何が食べたいですか?」

「トマト~」

「は?」

予想だにしない回答に思わず聞き返す。それはジェジュンだけではなく、他のメンバーも同様だった。ハンバーグやステーキと言った肉系ではなく、野菜が食べたいという。しかも、料理名ではなく素材だ。

「えっと…パスタとかでイイのかな…?それとも、ホントにトマト丸ごと…?」

ユチョンが確認するように尋ねてみるが、誰も答えを持ち合わせていない。当の本人は、エネルギーが切れたといわんばかりにジェジュンへともたれかかっていた。

「と、とりあえず、移動しようか…?」

「そう、だね…」

車に乗り込んだジェジュンは肩にもたれかかるジンを見つめ、そっと微笑んだ。

「今日はどうしたんですか?」

「う?」

なんのことだろうかと首をかしげるその姿に抱きしめたい衝動がこみ上げてくる。しかし、ここで抱きしめるわけにはいかない。

「逢いにきてくれた理由」

「ダメだった…?」

言葉ひとつですぐに笑顔が曇る。そうではないとかぶりを振り、優しく髪を撫でた。

「逢いにきてくれたのはすごく嬉しいです。ただ、急だったから少し気になっちゃいました」

そういうことかと再び笑顔を浮かべ、窓の外を指差す。

「雨~」

確かに窓の外はいまだ雨が降り続いていた。あのささやかな約束を覚えていてくれたのだと、また少し嬉しくなる。気づかれないように窺いながらそっと口づけ、ジェジュンは肩を抱き寄せた。

店へと到着し、ぞろぞろと中へ進んでいく。メニューを広げ、ジンは眉根を寄せながら首をかしげた。

「ねぇ、ジェジュン君。トマトは~?」

「…」

本当に丸ごとトマトが食べたいようだ。慌ててユチョンが店員を呼びとめ、トマトスライスを用意できるか尋ねてみる。快い答えに安堵の笑みを浮かべ、ジェジュンはジンを振り返った。

「トマトだけじゃお腹いっぱいになりませんよ?」

確かにその通りだ。閉じかけたメニューへと視線を下ろし、ひとつひとつを目で追っていく。

「ハンバーグ~」

ようやく出てきたジンらしい注文に胸を撫で下ろす。一口にハンバーグといってもいろいろな種類がある。どれにするのかと尋ねればトマトソースのハンバーグを指差した。どうしても今日はトマトを食べたいようだ。

「ジン兄さん、トマト好きになったんですか?」

「うん。ボアちゃんが作ってくれたトマトシャーベットおいしかったの~」

幸せそうにそう告げるジンに若干複雑な思いを抱きながら、ジェジュンはかすかに苦笑いを浮かべた。運ばれてきた冷えた水をゆっくりと飲みながら真剣な顔でメニューへと視線を落とすジェジュンを見つめる。

ふと、その視界の中で彼の指が口元へと向かった。しばしその横顔を見つめていたジンは思い出したように慌ててコップを下ろした。そしておもむろにその手を引く。

突然の行為に驚いて顔を上げたジェジュンは思わず目を見開いた。柔らかな感触とぬくもりが唇から伝わってくる。

メンバーもまたしばし呆然と目を見開いていた。その中で真っ先に動いたのはジュンスだった。人々の視線を遮るようにメニューを掲げ、重なり合ったふたりの姿を隠す。

思わずメニューを落としてしまったユチョンもそれに倣うようにそれを掲げ、素早くあたりに視線を走らせた。どうやら、気づいている人はいないようだ。

ほっと胸を撫で下ろすと不意に悲鳴が聞こえてきた。何事かとメニューの横から顔を出せば、こめかみにこぶしを押し当てられ、容赦なく締め付けているユノともがくジンの姿。

「ユ、ユノ!」

悲鳴がこぼれ、慌ててジュンスがユノを引き剥がす。痛めつけられたこめかみを両手で押さえ、ジンはわずかに肩を揺らした。

「…っく」

ポロポロと零れ落ちる涙。ジェジュンは慌てたようにジンを抱き寄せ、背中を撫でた。

「だ、大丈夫ですよ?も、もう、痛いコトしないですから、ね?」

しかしいくら優しい言葉でなだめても、届いていないようだ。子どものように泣きじゃくるジンに4人は狼狽していた。

「あ~あ…ユノ兄さん、ジン兄さん泣かしちゃった~」

冷やかすような言葉。相手は大の大人。しかし、なぜか小さな子どもを泣かしてしまったかのように罪悪感が沸々とこみ上げてくる。

「ユノ…謝れ」

低い声で抱き寄せたジンの肩越しにジェジュンが告げる。顔を上げればいまにも殴りかかってきそうなほど鋭い視線があった。

悪いことをしたわけではない。どちらかといえば正しい部類だ。なのになぜ謝らなければならないのか。理不尽な思いを抱きながらもユノは渋々”すみませんでした”と呟いた。

しかしそれで痛みが遠ざかるわけでもないし、同時に泣き止むわけでもない。困惑を滲ませながらもジェジュンは思いついたように虐げられたこめかみへと手を当てた。

「いたいのいたいのとんでけ」

それは入院中にジンが何度も繰り返していた呪文。これで本当に痛みがなくなるわけではないが、気は紛れるだろう。

繰り返し唱えていればだんだんとしゃくりあげる声が小さくなっていく。窺うように涙に濡れた顔を覗き込み、指先で優しく涙を拭った。

「ほら、もう痛くないですよ?」

そう投げかければ濡れた瞳のまま子どものようにジンは頷いた。微笑めば、まだぎこちないがちゃんと笑顔を返してくれる。

ほっと胸を撫で下ろし、ジェジュンはまだ涙の浮かぶ目じりに優しく口づけた。










続く。
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