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Close your Eyes ep.91-2



HP『Sweet Drops』用に書かれた作品になります。原文のまま転記したので長文になります、ご了承ください。












いつまでも抱きしめているわけには行かない。不安げに時折振り返るジンに微笑み、テーブルの下でそっと手を握り締めた。

一通り注文を終え、喫煙者はタバコを取り出した。数時間ぶりのタバコに自然と張り詰めていた神経が和らいだ。

「はい、ジン兄さん。トマトが来ましたよ?」

真っ先に出てきたトマトを見つめて目を輝かせる。本当にこれが食べたかったようだ。フォークを手に取り、おいしそうに口へと運ぶ姿に笑みが深まっていく。

「おいしいですか?」

トマトを咥えたまま大きく頷き、一切れをジェジュンへと差し出す。口に含めばほのかな酸味と広がる甘さ。首をかしげるジンにおいしいと頷けば、満面の笑みが広がった。

その様子を隣で眺めていたユノは大きなため息をついた。本当にギリギリだ。ネットなどで広まってしまったらどうするのだろうか。

後先考えないふたりに頭痛を覚え、ユノは額を押さえながら俯いた。しかし、いくら思い悩んでいたところでふたりに通じるわけがない。それならば早く食事を終えてここを出ようと運ばれてきた料理を黙々と食べ進めた。

1時間ほどかけて食事を終えた面々は再び車へと乗り込んだ。ここならば他人の目を心配する必要もないと、疲労を色濃く浮かべたユノはまぶたを伏せて窓へと頭を預けた。

一番後ろの席。隣に座っていたジンがおもむろに立ち上がり、甘えるようにひざの上へと腰を下ろす。ぎゅっと抱きついてくるジンに笑みを浮かべていると、不意に耳元を息が掠めていった。

「エッチしたい…」

吐息交じりの囁きにぞくりと背筋が震える。応えるようにうなじへと口づけ、窺うように首をかしげるジンを見つめ返した。

「仕事終わるまで待っててくれますか?」

「どれくらい…?」

「1時間で終わらせます」

まだほとんど決まっていないというのにそう断言する。ふたりの前に座っていたジュンスとユチョンが驚いたように目を見開いて振り返った。

しかし、それが運の尽き。ぴたりと視線が絡む。そしてふたりの視界には見事なまでの微笑があった。

「もちろん、協力してくれるよね?」

有無を言わさぬ問いかけに、ふたりは引きつった表情で頷くしか道は残されていなかった。顔の向きを前へと戻し、同時に深いため息をつく。そのさらに前の座席ではチャンミンがひとり楽しげに笑っていた。

事務所へ戻ってくるとジンは再びソファへと腰を下ろした。まるで指定席のようだ。

「じゃあ、もう少しだけいい子で待っててくださいね?」

「うん、待ってる~」

いぶかしむユノの脇を通り過ぎ、中へとジェジュンが入っていく。その姿を見送り、ジュンスとユチョンはため息をこぼしてからジェジュンを追いかけた。

「ユノ兄さん、頑張って~」

「は?」

何をだ、と聞き返したくてもチャンミンはすでに室内。先ほどと変わらぬ位置に腰掛け、頬杖をついていた。首をかしげながら室内へと足を踏み入れ、ユノは扉を閉めた。

それからきっかり1時間後、再び扉は開いた。

「ジン兄さん、お待たせしました」

俯いていたジンは弾かれたように顔を上げ、跳ねるように立ち上がる。そして差し出された手を取り、エレベーターへと向かって歩き出した。

「こういうコトか…っ」

ようやくチャンミンの言っていた意味を理解した。少しやつれた表情でテーブルに突っ伏すユノを見下ろし、チャンミンはにっこりと笑顔を浮かべた。

「お疲れサマ~」

押し切られるような形で打ち合わせは終了した。反論しようとしても鋭い視線に言葉を飲み込むことしかできなかった。そして、文句を言いたい相手はすでに事務所にはいない。

「アイツ…っ」

握り締めたこぶしが小刻みに震えていた。このままここにいたのではとばっちりを食いそうだと、ジュンスとユチョンは視線を交わしあい、逃げるように部屋を出ていった。

その頃ふたりは駐車場内をジェジュンの愛車に向かって歩いていた。

「いつものホテルでイイですか?」

「…」

頷こうとして何かを思い出したようにゆっくりと首をかしげる。同じようにジェジュンもまた首をかしげた。

「ジン兄さん?」

どうしてもっと早く思い出さなかったのだろうか。ホテルなんかよりももっと広くて、誰にも邪魔されない場所。慌ててポケットを手で探り、鍵を引っ張り出す。

キーチェーンにはいくつもの鍵。その中に目当てのものを見つけ、ジンは満足げに笑った。そしてジェジュンの手から車の鍵を抜き取り、駐車場に止めてあった車へと駆け寄る。

「ジェジュン君、早く、早く~」

手招きしながら素早く運転席へと乗り込んでいく。あと乗るところといえば助手席しかない。わけがわからないまま助手席へと乗り込み、ジェジュンはエンジンをかけるその横顔を見つめた。

「ジン兄さん、どこへ行くんですか?」

「イイところ~」

まるで何か、イタズラを思いついた子どものようだ。とにかく、何か思うところがあるのだろう。いまはジンにすべてを委ねようと、ジェジュンは楽しげな横顔を優しく見守っていた。

車を走らせること15分。大通りを左折し、車は住宅街へと進んでいった。そして右手に見えてきたマンションへと吸い込まれていく。

迷うことなく6番と書かれたスペースに車を止め、ジンは意気揚々と車を降り立った。困惑を滲ませながら辺りを見回すジェジュンの手を引き、エレベーター乗り場へと向かう。

さきほど確認した鍵でオートロックを解除し、エレベーターへと乗り込んでいく。ゆっくりと上昇していく小さな部屋。ジンに委ねようと決めたが、やはり気になって仕方がない。

「ジン兄さん、ここは…?」

「オレの昔の家~」

到着を告げる音が聞こえ、扉がゆっくりと開いていく。ジェジュンの手を引くように通路へと降り立ち、ジンはなつかしの我が家へと入っていった。

テーブルもソファもベットも出て行ったときのまま。空気を入れ替えるように窓を開け、ジンはジェジュンを振り返った。

「今日からオレとジェジュン君の家~」

そう明るい声で告げ、ジンはキーチェーンからこの家の鍵を抜き取る。そして呆然としているジェジュンの手にそれを握らせた。

「これ、ジェジュン君のカギ~。失くしちゃダメだよ~?」

ここに来ることしか頭になく、買出しをすっかり忘れていた。せっかくここまで来たのにまた外出しなければならないと、ジンは顔をしかめた。

自分の落ち度を責めていると不意に優しい香りが鼻腔をくすぐる。顔を上げるのと、ぬくもりに包まれるのがほぼ同時だった。

「ジェジュン君?」

「…どうしよう…すごく嬉しい…」

ここならば誰の迷惑も考える必要はない。ふたりだけの場所だ。いつまでもホテルを利用していたのではいけないと、考えていた矢先の出来事だっただけに喜びもひとしおだった。

感情のまま口づけを交わし、腰を支えながらその場へゆっくりと身体を横たえる。うなじへと口づけを繰り返しながら素肌を撫でればかすかに身体が震えた。

「ジェ、ジェジュン君、ベット…っ」

「ゴメンなさい、ジン兄さん。少しだけ我慢して…」

余裕など一切なかった。そして、こみ上げてくる欲求を抑えることもできない。いまこの胸にくすぶっている想いをすべてこの場で伝えたかった。

「ジン兄さん…」

「…っ」

強引に求められれば求められるほど、抗えなくなる。見えない鎖で縛られてしまったかのように、ジンは性急な行為を必死に受け止めていた。

気づけばぐったりと腕の中。汗ばんだ肌を重ね、寄りかかるように浅い呼吸を繰り返していた。

「大丈夫ですか…?」

応える代わりに腕に口づけ、かすかに微笑む。身体は気だるいが、心は満たされていた。視線を持ち上げて窓の外を見遣ればまだ雨が降り続いていた。きっと、今日はこのまま雨で終わるのだろう。

「ジェジュン君、お腹すいたぁ…」

掠れた声でポツリとそうこぼす。まだ食事をしてから3時間ほどしか経っていないのに、もうエネルギーが切れてしまったようだ。

くすっとかすかに声を立てて笑い、漆黒の髪の隙間から見える肌にそっと口づけた。

「どこか食べに行きますか?それとも、何か作りましょうか?」

「ジェジュン君の料理食べたいケド、何もないの~…」

しゅんとうなだれるジンに笑みを深め、少し寂しそうなその横顔を覗き込んだ。

「じゃあ…シャワー浴びて、一緒に買い物行きましょうか?」

その誘いに笑顔で頷き、もたもたと立ち上がる。少しふらつくジンの身体をジェジュンの腕がしっかりと支えた。

「何が食べたいですか?」

「カレーライス~」

ある意味難しい注文だ。ふたりしかおらず、しかも夕飯だけ。その分だけのカレーを作るのは大変だ。しかし、ジンの希望である以上叶えたい。

「わかりました。お肉をいっぱい入れたカレー作りますね?」

「うん!」

ついでにタッパでも買って、余ったものはそこへに入れて持ち帰ればいいだろう。そう頭の中で計画を立て、ジェジュンはジンを伴ってバスルームへと消えていった。










続く。
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テーマ : BL小説 - ジャンル : 小説・文学

コメント

突然の投稿すみません泣
悲しすぎて書き込んじゃいましたー

えーーー泣
ここはドンワンとの家じゃなかったノォー泣
じんー泣
ドンワンがかわいそうー泣
切ないー泣
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