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Close your Eyes ep.91-3



HP『Sweet Drops』用に書かれた作品になります。原文のまま転記したので長文になります、ご了承ください。












近くのスーパーへと車で乗りつけ、カートを押しながら店内を進んでいく。深く帽子をかぶり、サングラスをしているせいで、誰もジェジュンだとは気づいていないようだ。

それに、こんなところにあの東方神起のジェジュンがいるなど思ってもいないだろう。

ジャガイモやニンジン、そしてタマネギなどを選りすぐってカゴへと入れる。ふと、トマトが目に入ったジェジュンは静かに手を伸ばした。

少し大きめで、赤く熟したトマト。甘くておいしそうだとそれもカゴへと置いた。

「…?」

気づけば、なぜかカゴはすでに半分以上満たされていた。しかも、最初はなかったはずなのに下にもうひとつカゴがある。さらに、そのカゴはすでに満杯だ。

犯人はひとりしかいない。サングランスの奥の瞳でその姿を探せば、遠くから両手いっぱいにお菓子を抱えたジンが駆け寄ってくるところだった。

「ジン兄さん、そんなに買ってっても余っちゃいますよ?」

「イイの~。置いとけば、いつ行ってもお腹空かないですむも~ん」

確かに、食材はなくともお菓子があればお腹は拭膨れる。しかし、あまり身体にはよろしくない。かといって野菜やお肉を買い置きしておいても腐ってしまうだろう。

「じゃあ…冷凍食品もストックしておきますか?」

「うん」

帰るべき家は別々だというのに、本当の家族になったようだ。シャンプーやリンス、それにタオルも必要だと買い揃えていけばいつのまにかカゴは4つに膨れ上がっていた。

会計を済ませたそれをカゴから袋へと詰め替えて車へと向かう。荷物は重いというのに、なぜか心はとても軽かった。

部屋へと戻ればもう、周囲の目を気にする必要はない。

バス用品はバスルームに、飲み物は冷蔵庫へとしまったジンはジェジュンの背中へぴったりと寄り添い、お肉や野菜が踊るフライパンをじっと見つめていた。

子どものようなその表情にそっと微笑み、頬へ優しく口づける。

「まだ時間かかりますから、リビングで休んでで大丈夫ですよ?」

「やだ~。ジェジュン君のそばにいるの~」

なかなか逢えないからこそ、一緒にいられるときは1分1秒でも離れたくない。腰へと回った腕が少しだけ窄まる。そして顔を隠すように背中へと額を押し当てた。

ふと、視界にタンクトップの隙間から見えるタトゥーが目に入った。何かを思い出したように顔を上げ、腰に回していた腕を離す。そして人差し指で一文字ずつ取り付かれたように押していく。

どうやら以前やっていたスイッチ探しのようだ。

くすっとかすかに微笑み、ジェジュンは視線を手元へと戻した。時折、くすぐったそうに身を捩ればこれがスイッチかと確かめるように無邪気な瞳が顔を窺う。

「頑張って見つけてくださいね?」

「絶対、見つけるもんっ」

ジェジュンの言葉を挑戦状と受け取り、かすかに頬を膨らます、一心不乱に押していると次第にカレーの香りが部屋に満ち溢れていた。

お腹が小さく音を立てる。小皿へとよそったそれを冷まし、ジェジュンはジンへと差し出した。

「味見してみてください」

その言葉に背中へと一直線に向かっていた視線があがる。嬉しそうに笑顔を浮かべ、それを受け取ったジンは口へと運んだ。

ぴたりと動きが止まる。どうしたのだろうかと首をかしげるジェジュン。その見つめる先でだんだんと瞳に涙が浮かんでいった。

「ジン兄さん?」

「か、かりゃいぃ~っ」

ひりひりする舌を突き出し、時間を追うごとに増していく辛さにもがく。とりあえずとつめたい水を差し出せば、ジンはそれを一気に飲み干した。しかし、その辛さはなかなか収まってくれない。

ジェジュンもまた味見をしてみたが、涙を浮かべるほど辛くはない。とりあえずこのままではジンが食べられないと、牛乳や蜂蜜などを加えてまろやかに仕上げてみる。

もう一度味見をしてほしいと差し出せば、疑うような視線が突き刺さった。恐る恐る小皿を受け取り、突き出した舌でそれを少しだけ舐め取る。

「どうですか?」

先ほどのような痛みのような辛さはない。ぺろりとそれを舐め、ジンはしばしの間をおいて頷いた。

「おいし~」

このくらいの辛さがジンの好みらしい。その味を覚えるべく、ジェジュンもまた先ほどと同じように味見をした。

弱火で煮込んでいる間にサラダを作っていく。茹で上げたマカロニと細くきったキュウリ、そしてツナをマヨネーズと塩コショウで和えていく。それに切ったトマトを沿え、冷やすべく冷蔵庫へと投入した。

「あと30分くらいですからね?」

焦がさないようにとカレーをゆっくりとおたまで回しながら、そう告げれば笑顔でジンが頷く。待ち遠しいようでそわそわと動き回るジンにジェジュンは笑みを深めた。

買ってきたばかりの布きんを水で濡らして絞る。そしてジンはいつでも運んできて大丈夫なようにとテーブルを綺麗に拭った。

布きんを手にキッチンへと戻ってみると、今度はバスルームから音が聞こえる。持っていたそれをシンクの淵へとかけ、音のしたほうへと走っていく。

扉の向こうへと消えたジンが今度は両手に白いシーツを抱えて奥の寝室へと駆け込んでいく。どうやら出かける前に放り込んでおいた洗濯が乾燥まで終わったようだ。

ベットメイクを終えて戻ってきたジンが再びジェジュンの手元を覗き込む。

「まだ~?」

「あともう少しです」

本当なら一晩寝かせたいところだが、そんなことをしていたらジンが空腹で倒れてしまう。カレーの香しさに空腹は限界のようだ。先ほどからお腹がひっきりなしに鳴り響いていた。

「サラダを運んでくれますか?」

「うん」

ただ待っているだけでは余計に時間が長く感じてしまう。少し動いていたほうが退屈しないだろうというジェジュンの心遣いだった。

言われるまま冷えたサラダをテーブルへと運び、続いてお皿に蒸らし終えた白米をよそる。ちらりと振り返れば片方のお皿には白米が山のように盛られていた。

「ジン兄さん、それじゃカレーをよそるスペースがなくなっちゃいますよ?」

「…」

確かにその通りだお皿をめいっぱい使って盛った白米。カレーをかけたら溢れてしまうだろう。渋々よそった白米を釜へと戻し、寂しそうにそのお皿をジェジュンの元へと運ぶ。

「おかわりいっぱいしてイイですからね?」

そう告げれば、俯いた顔が弾かれたように持ち上がる。そして寂しげな表情はすぐに幼い笑顔へと変わった。

「いっぱいする~っ」

大量によそることしか考えていなかった。おかわりという発想の転換にジェジュンのおかげで気づいたジンは嬉しそうにお皿をひとつずつジェジュンへと差し出した。

ひとつずつカレーを盛ったお皿を手にリビングへと向かう。用意しておいたスプーンを手に取り、ジンは大仰に手を合わせた。

「いっただきま~すっ」

「ゆっくり噛んで食べてくださいね?」

ジェジュンの言葉に飲み込みかけていたジャガイモを租借する。そしてゴクリと飲み込み、続いてサラダへと手を伸ばした。

「おいしいですか?」

「おいし~っ」

あまりにもお腹が空きすぎていたのか、それともカレーがよほど口に合ったのか、みるみるカレーはなくなっていく。これならば余ることを考える必要もない。

余ったときのことを考えて買ってきたタッパは棚にしまっておけばいいだろうと、気持ちいいぐらい快食をするジンを飽きることなく見つめ続けた。

白米もカレーもサラダも、ほとんどはジンの胃袋へと収められた。満足そうにお腹をさすりながら笑顔で息をつくジンを見ていたジェジュンは小さくて招きした。

「ジン兄さん」

「…?」

不思議そうに首をかしげながらも、招かれるままジェジュンへと寄っていく。不意に顔が近づき、ペロリと口端についたカレーをジェジュンの舌先が舐め取る。

かすかに触れ合う唇。離れかけたジェジュンの唇を追うようにジンが追いかけていく。求められるまま口づけを交わし、ジェジュンはそっと手のひらを重ねた。

「片づけが終わったらベットに行きましょうね?」

耳元で囁かれる、少し掠れた声。かすかに身体を震わせ、ジンは小さく頷いた。それならばと食べ終わったお皿を手にキッチンへと小走りに向かう。その背中を見つめ、ジェジュンはそっと微笑んだ。

眉間に皺を寄せて洗い物をするジンの隣へと立ち、その手から泡だったスポンジを抜き取る。

「テーブルを片付けてもらっていいですか?」

「うん」

そう告げれば手についた泡を綺麗に洗い流し、再び布きんを手にリビングへと戻っていく。テーブルを丁寧に拭き、キッチンへと戻ればちょうどジェジュンが手を差し出した。

最後に布きんを洗えばすべて終了だ。

冷蔵庫からはお酒を、そして小腹が空いてはいけないとお菓子を手に揃って寝室へと向かう。

軽く口づけを交わしてベットへと身体を投げ出す。甘えるように擦り寄ってくるジンを優しく包み込み、ジェジュンは春の陽だまりのような微笑を浮かべた。










続く。
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