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Close your Eyes ep.93-1



HP『Sweet Drops』用に書かれた作品になります。原文のまま転記したので長文になります、ご了承ください。












君がいる。

それだけで僕は、強くなれる…。


 
それは他愛もない質問だった。確かに以前、公共の電波を私物化し、告白した。だから、誰もが僕に想い人がいることを知っている。

「ジェジュンさんはいま、幸せですか?」

恋愛感の質問から来るその問いかけ。意図していることは容易に理解できた。隣でユノが息を呑むのがわかった。ユチョンもジュンスも窺うようにいつもとは少し違う視線を向ける。

「はい、幸せです」

臆することなくそう答える。幸せか、そうでないかを問われるなら答えは決まっている。これ以上の幸せがどこにあるというのだろうか。

「では、告白されたその方とお付き合いされているというコトですか?」

なおも踏み込んでくるレポーターにジェジュンは内心辟易としながらも、表情には出さずただ静かに微笑んだ。

「ご想像にお任せします」

そう答えれば安堵したように小さく息をつく。見えないようにとその裏でユノの手が背中へと触れた。よく誤魔化したと伝えたいのだろう。

照明のない奥の暗闇を見遣れば、右往左往する姿がかすかに浮かび上がる。顔を伏せたままかすかに微笑み、コンサートの告知をするユノの声を聞いていた。

1時間ほどでインタビューは終わり、スタジオの隅へ隠れてしまったジンの元へと向かう。顔を覗き込めば、少し赤らんだ頬と潤んだ瞳があった。

「ジェ、ジェジュン君、イジワルだ…っ」

あれだけ公然と手を繋ぎ、中睦まじくいるというのにこういうところは敏感なほど反応を示す。蹲る身体を持ち上げ、人目を盗んでその頬に口づけた。

「本当なら、いっそ公表してしまいたいんですけどね」

「そんなコトしたら、ユノ君にぶたれるもん…っ」

誰の目を気にすることもなくこうしていたい気持ちは山々だが、痛いのはイヤだ。いまもまた、ユノの視線がチクチクと刺さっていた。

「公表しちゃえば、ユノは何も言えませんよ。それに、そうなったら怒られるのは僕だけです。ジン兄さんは何も心配しなくて大丈夫ですよ?」

「でも…ジェジュン君が怒られるのもヤダ…」

まるで自分が怒られるかのように、身体を震わせる。くすぐったいようなその優しさに微笑み、ジェジュンはもう一度その頬に口づけた。

「じゃあ…早く、怒られないトコに行って、いっぱいキスしましょうね?」

「…うん」

本当ならば抱きかかえたまま移動したいところだが、そうも言っていられない。もしそんなことをしてしまったら、それこそユノの雷が落ちるだろう。

肩を並べて楽屋へと向かっていると不意に後ろから繋いでいた手が切り落とされた。振り返ればそこには仏頂面のユノがいる。
どうして手を繋ぐこともダメなのだろうか。

「別に手、繋ぐくらいイイんじゃないの~?そうやって目くじら立てて邪魔してるコトのほうがよっぽどかんぐられると思うけどな~」

「…」

別にうなだれるジンを思っての言葉ではないだろう。しかし、ジンにしてみたら救いの神だ。うなだれていた顔を上げ、嬉しそうにチャンミンの後ろをついていく。

「オレも同感」

チャンミンの言葉は的をついている。ジュンスが同意すれば、ユチョンもまた頷いた。結果的には追い風になったようだが、手を繋ぐべき相手はすでにチャンミンとともに楽屋へ入ってしまっている。

「そもそも手を繋がなきゃイイんだよ…っ」

なぜ自分が責められなければならないのだろうか。グループのリーダーとして当然のことをしているだけだ。筋違いも甚だしい。

「それはムリじゃない?だって、ジン兄さんは誰が見たって甘えん坊だもん」

「…」

何気ない一言はまさに一撃必殺だ。それ以上なにも言うことができない。大きなため息をこぼし、ユノは重い足取りで楽屋へと入っていった。

その背中を追いかけるように入っていけば、先にたどり着いていたジンがジェジュンへと飛びつく。ここならば誰の目も届かないだろうと、存分に甘え始めた。

「…」

怒りに肩が震え始める。それを感じ取ってか、ジェジュンはジンを抱きかかえたままソファへと腰を下ろした。そして邪魔されてなるものかとその腰を抱き寄せる。

「今日はこれでラストですから、ホテルに帰ったらゆっくりしましょうね?」

「うんっ」

さらさらと肌に触れる髪。指先に絡まる癖毛もいいが、艶やかな髪もまたいい。それが自分の真似だというのだからなおさらだ。

愛しげに髪へと口づけ、ジェジュンはその瞳を覗き込んだ。

「帰る準備をしてきますんで、少しだけいい子で待っててくださいね?」

「は~い」

子どものように手を上げて大きく返事をし、ひざの上から降りていく。そしてソファへと身を沈ませ、そわそわとしながらも時折幼い笑顔をこぼした。

「ジン兄さん、ゴハンどうする~?」

いち早く帰り支度を整えたチャンミンが隣へと腰を下ろして問いかける。足元に落としていた視線を持ち上げ、首をかしげるジンにチャンミンは笑顔を浮かべた。

「まずは王道の中華街、それにラーメン博物館とカレーミュージアムでしょ~…。横浜はいっぱい名物があるよ~?」

だんだんと輝きが増していく瞳。どうやらジンの心をくすぐることに成功したようだ。かすかに口元をゆがめて笑えば、ジェジュンの白い視線が突き刺さった。

食事に関心の薄い人間を連れて外食に出かけてもおもしろくない。やはり、同じくらい食欲旺盛の人がいたほうがいい。そうなるとジンは格好の獲物だった。

「全部~っ!」

完全に釣れた。チャンミンは心の中でほくそ笑み、様子を窺っていたメンバーへと視線を向けた。

「だってさ~。ほら、さっさと準備して~」

先ほどの一言はこの誘いへの伏線だったのではと疑ってしまう。少し手なずけておいて、自分の要望を満たしてもらう。チャンミンならばやりかねないと、4人は小さく息をついた。

「ジェジュン君、中華~っ」

「…わかりました。じゃあ、中華街で夕飯にしましょうね?」

「うんっ」

こうなるともう拒むことはできない。今日くらいはゆっくりと過ごしたかったが、そうも言っていられないようだ。喜びはしゃぐジンにため息をこぼし、4人は示し合わせたかのように同時に立ち上がった。

サングラスをかけ、帽子を目深に被る。そして6人は車へと乗り込み、ジンの要望である中華料理を食べるべく、中華街へと向かった。

所狭しと並ぶ店。大小様々だ。細い路地を覗きこめば、そこにもやはり中華料理屋が軒を連ねている。

仕事帰りの人々や、旅行に来たと思われる人々が次々に中へ消えていく。その中で6人は現地スタッフが勧めた店へと入っていった。

そこは広東料理を楽しめるお店だった。特に焼き物がおいしいという。奥の円卓へと通され、おしぼりを差し出した定員を笑顔で振り返った。

「ビール~、ビール~」

「はい、かしこまりました」

こればかりはほぼ万国共通だ。ビールという単語を紡ぐことになんの躊躇いもない。

「じゃあ、僕も」

何はともあれ喉が渇いた。それに仕事が終わったのなら、一区切りつけたい。早速運ばれてきたビールで乾杯し、喉を潤しながらメニューへと目を落とす。しかし、ジンに読めるはずもない。

適当にいくつかオーダーをすれば芳ばしい香りが漂ってくる。そろそろお腹も限界のようで、小さく鳴き始めた。

スタッフが一番のお勧めだという大海老マヨネーズ和えお皿がひとつ。それに店長がお勧めのあわびと野菜の炒め物。それになすと牛肉のピリ辛炒め。さまざまな料理が6人の前へと並ぶ。

「はい、ジン兄さん。たくさん食べてくださいね?」

「うん。いっただきま~す」

出てくる料理は次から次に胃袋の中へ。この細い身体によくそれだけ収まるものだと、感心してしまう。2時間ほど食べっぱなし。最後に注文した炒飯は見事な黄金色。添えられていたスープまで一滴残らず飲み干した。

「お腹いっぱ~い」

少し膨れたお腹をさすりながら小さく息をつく。お腹がいっぱいになってしまえばあとは飲むだけ。ビールから紹興酒へと切り替え、おいしそうにそれを口へ運ぶ。

「じゃあ、そろそろホテルへ戻りましょうか?」

「うん」

飲むのは部屋でもできる。笑顔で頷き、ジンはジェジュンとともに席を立った。入り口に近いほうから準にひとり、またひとりと出て行く。

一番奥に座っていたユノが必然的に支払いをすることとなり、ひとりため息をこぼしていた。

ホテルへ到着すれば自由時間。それぞれ、部屋へと引き上げていく。普通ならばスタッフと同室することなどありえない。予定ではやはり別の部屋だったが、すでに荷物は同じ部屋へと置かれていた。

ベットの上へダイブし、スプリングに弾むその姿に笑みを浮かべる。そしてベット端へと腰を下ろし、ジェジュンはそっと髪を撫でた。

「やっとふたりきりになれましたね?」

きょとんとした顔が振り返り、次第に笑顔へと変わっていく。仰向けになって、手を伸ばすジンに笑みを深め、ジェジュンはそっとその身体を抱きしめた。

口づけを交し合いながら、ベットライトへと手を伸ばす。紐を指先に絡めて引けば、部屋は闇に包まれていった。

カーテンの隙間からこぼれる月明かりだけがベットの上で戯れるふたりの姿を映し出す。ここでは邪魔されることはないし、阻まれることもない。

夢中でお互いを求め合い、心が満たされるまでふたりは身体を重ね合わせていた。










続く。
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