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Close your Eyes ep.97-1



HP『Sweet Drops』用に書かれた作品になります。原文のまま転記したので長文になります、ご了承ください。

昨日からWi-Fiの調子が悪く、接続に死ぬほど時間がかかる・・・為、来月から使おうと思っていたWi-Fiに変更しました。ログインが全然出来なかった・・・。スマホの調子が悪いのかと思いきや、Wi-Fiを変更した途端にスムーズになる結果・・・まぁ、寿命なのかな?使い過ぎなのかもしれませんが(笑)
スマホのデータ移行もついでにと思ったら、うまくいかずにLINEデータが消える始末。仕方ないですね(笑)












幸せとはなんだろうか。

きっと、それはいつもそばにある…。



ともに生活を始めて早いものでもう1ヶ月。起きたときに腕の中にあるその寝顔にも慣れた。起こさぬように顔だけを上げて時計を見遣ればすでに9時を過ぎていた。

迎えに来るといっていたのが10時。そろそろ起きて準備を始めないと間に合わない。それに、迎えに来るその人はいまでもまだ大切な人。楽しみにしているのにそれを邪魔するわけにはいかない。

「チュンジェ」

自分でも驚くほど優しい声だ。なぜか、彼の名を呼ぶときはそうなってしまう。それも当然だ。少なからず、この腕に眠る青年もまた特別なのだから…。

「…」

ピクリと身体を震わせ、呼びかけに応じるかのようにまぶたが開いていく。そしてかすかに微笑み、まだ重たいまぶたをこじ開けるように手の甲でこすった。

「おはよう、ヴァネス」

「よく眠れたか?」

「うん」

寝付いてからいままで、一度も目を覚ますことはなかった。それはつまりずっと深い眠りにあったということだろう。身体が少し重く感じるのもそのせいだ。

「そろそろ準備始めないとジンたちが来ちまうぞ?」

きょとんとした顔を持ち上げ、時計へと視線を移す。そしてチュンジェは目を見開き、まどろむ時間も忘れてベットから飛び起きた。

今日は約束の日。早く起きなければと思っていたのにもうこんな時間だ。せっかくお弁当を作ろうと思っていたのにもうそんな時間も残されていない。

準備を整えたはいいが、少し落ち込んでいるようだ。久しぶりに自らコーヒーを注ぎ、ヴァネスはカップを手にソファに座るチュンジェへと歩み寄った。

「ほら」

顔を上げれば目の前にはマグカップ。それすらも忘れてしまっていた。カップを受け取りながらもチュンジェはさらに落ち込んでいった。

「ゴメン、なさい…」

しょうがないヤツだと心の中で呟き、かすかに苦笑を浮かばせる。それは呆れているのとは少し違う。瞳は優しく、見守る眼差しはあたたかかった。

カップを再びチュンジェの手から取り上げ、ふたつ揃えてテーブルの上へ並べる。少し怯えたような瞳で見上げるチュンジェに微笑み、ヴァネスは軽々とその身体を抱き上げた。

いつもジンにそうしていたように、ひざの上へ向かい合うように座らせる。そして強張る身体を包み込み、優しく背中を撫でた。

「お前にだって休みは必要だろ?たまにはコーヒーくらいオレに入れさせてくれよ」

怒られると覚悟していたチュンジェは予想外の言葉に目を見開いた。そして耳元で囁かれたその言葉を反芻する。数秒を要してその言葉を理解し、チュンジェは小さくかぶりを振った。

「だって、僕…何もしてない。ずっとお休みと一緒…」

「んなコトねぇよ。毎日洗濯して掃除して食事作って働きづめだろ?しかも最近じゃ弁当つきだ。オレにしてみたら至れり尽くせりってカンジだ」

「でも…僕には、それしかできないから…」

いまはまだ働くこともできない。一緒に住まわせてもらっているのだから、できる限りのことはしたい。ただでさえお荷物なのだ。

「オレはチュンジェがここにいて、”おかえり”って言ってくれるだけで充分幸せなんだけどな…」

「え…?」

「お前が笑顔で行ってらっしゃい、おかえりって言ってくれるだけでイイんだよ。別に金入れろとか、住まわせてやってるなんてちっとも思ってねぇぞ?」

きょとんとした顔を上げ、宝石のような瞳で間近に見つめる。無意識なのだろうが、目の毒だ。思わず口づけしたい衝動がこみ上げてくる。

幾度となくその衝動を殺し、我慢してきたがそろそろ限界だ。ジンとの関係が終わって早数ヶ月。誰かをここまで欲したのは久しぶりだった。

「悪い、チュンジェ」

「え…?」

いったい、なんのことだろうか。首を傾げれば口づけするのにちょうどいい角度だった。息の触れる距離まで近づき、唇を重ね合わせる。

抵抗されるだろうことを予想していたが、反応は至って従順だった。ついばむように何度も口づけ、細いその腰を抱き寄せる。すると身体はパズルのピースのようにぴたりと重なり合った。

「…っ」

苦しそうな声にはっと我を取り戻す。慌てて貪っていた唇を離せば、こつっと頭が肩へと預けられた。相当苦しかったのか、背中は上下し、まるで全力疾走をした後のような息遣い。急に罪悪感がこみ上げてくる。

「悪い…大丈夫か?」

「う、ん…大丈夫…。ちょっと驚いたけど…」

驚きはしたが嫌ではないということなのだろうか。窺うように髪をなでながら横顔を見遣れば上気した頬がそこにあった。

「また、キスしてもイイか…?」

不安を覚えながらも問いかければ小さな頷きが返ってきた。不承不承という感じはない。本当にいいと思っているようだった。いったんは覚えた罪悪感が鳴りを潜めていく。代わりに安堵が広がった。

落ち着くまで背中を撫で続けていると、もう大丈夫だと告げるように頭が持ち上がる。そしてチュンジェはヴァネスを見つめ、そっと微笑んだ。それはいつもと変わらぬ、無邪気な笑顔だった。

もしかしたら、チュンジェは自分が好きなのだろうか…。

どうしてジンとともに暮らさず、ここに残ったのか。どうして自分のために甲斐甲斐しく世話をしてくれているのか。怖くて考えることもなかった理由。

しかし、そのかすかな希望ともいえる可能性にヴァネスは知らず微笑んだ。まるでこの腕の中に幸せがあるようだ。心が春の日差しを受けたようにぽかぽかとあたたかくなっていく。

「…」

しばしその笑顔を見つめていたヴァネスはそっとその頬を撫でた。窺うようにもう一度唇を重ねる。触れるだけの、かすかな口づけだった。

「さて…そろそろジンたちが来るころだな…。下行って待ってるか?」

「うん」

これ以上ここにふたりきりでいたらきっと口づけだけではすまない。取り返しのつかない過ちを犯す前に、ヴァネスは逃げるようにチュンジェへとそう告げた。

その思惑に、チュンジェはまったく気づかなかったようだ。疑り深いはずなのに、ヴァネスの言葉は鵜呑みにする。その裏にある意味などあるはずはない。そう信じているようだった。

喧しい呼び出しの前にと部屋を出て、エントランスへと向かう。するとちょうど1台の車が滑り込んできた。寒いだろうに、窓は全開。そこからひょっこりと顔を覗かせ、ジンは大きく手を振った。

「チュンジェ~、ヴァネス~っ」

「朝から元気だな…」

「うん」

ジンの向こうではハンドルを握るジェジュンが苦笑を浮かべていた。

ふたりきりならばジェジュンの車で充分だが、それ以上となると乗れない。仕方なく、ジェジュンは愛車を残してジンの車へと乗り換えてここまでやってきた。

セダンはあまり好みではないが、この車の乗り心地は最高だ。車内は静かで、振動はほとんどない。何時間乗ってても疲れなさそうなシート。加速も申し分なかった。

「ジンがおとなしく助手席に乗ってるなんて珍しいな…。どういう風の吹き回しだ?」

「ジェジュン君が運転してみたいって言うからオレ、助手席~」

もし、自分が申し出てもあっさりと却下されるだろう。ジェジュンの前ではかなりいい子のようだ。

いろいろな思いはあるが、このまま突っ立ってもいられない。後部座席へと身を滑り込ませ、扉を静かに閉めた。

「出発~」

「その前に…ジン兄さんはちゃんと前向いて、シートベルトしてくださいね?」

立ち膝で後ろを見つめたままのジンを前へと向かせ、甲斐甲斐しくシートベルトを締めさせる。コレで大丈夫だと、ジェジュンはギアをドライブへと入れ、アクセルをゆっくりと踏み込んだ。

「ずっと気になってんだけど…大丈夫なのか?」

「う…?」

特に大丈夫かと尋ねられるようなことはここ最近した覚えがない。くるりと振り返った顔は尋ね返すように傾いていた。

「お前じゃなくてジェジュンだよ。芸能人が遊園地なんて人目のつくトコ行って大丈夫なのか?」

「大丈夫ですよ。サングラスも帽子も持ってきてます。それに平日ですから、騒ぐような人たちもあまりいないでしょう?」

「そうか…?まぁ、お前が大丈夫ってんなら別にイイんだけどさ」

意外だと、正直思った。詰まることなく、口調が乱れることもなく答えを返してみたが、それがジェジュンの本心だった。

邪魔者扱いを覚悟していたのに、かなり友好的といえるだろう。まだ判断材料は少ないが、もしかしたら対応を改める必要があるかもしれない。

ちらっとバックミラー越しにヴァネスを見つめ、ジェジュンはそう考えていた。

「チュンジェ、いっぱい遊ぼうね~?」

「うん」

前回はウォンタクと一緒だったため、乗れるものは限られていた。しかし今回、その心配は無用だ。全乗り物を制覇しようと、ジンは考えていた。

「兄さん、楽しそうだね?」

「うん!チュンジェは楽しみじゃない~?」

その問いかけに小さく首をかしげる。楽しみだといえば楽しみだ。こうしてジンやヴァネスと出かけるのは初めてなのだから。だが、生憎とチュンジェは遊園地がどういうものなのか理解していなかった。それが答えを詰まらせる。

「ヴァネス、遊園地ってどういうところ?」

「どういうところ…そうだな…乗り物がたくさんあるところ、ってカンジかな…」

意外に言葉で説明するのは困難だ。しかし、その説明では理解できるはずもない。さらに首をかしげるチュンジェに申し訳ない気持ちになってくる。

「行けばわかるよ~。きっと、チュンジェも楽しいよ~」

「うん」

見たことも聞いたこともない場所を想像するには知識がなさ過ぎる。ジンが楽しいのだからきっと自分も楽しいはずだ。そうチュンジェは結論付け、ヴァネスを見つめた。

「ん?」

「ヴァネスも遊園地は楽しい?」

「そうだな…。若いころはよく行ったけど、ここ最近はさっぱりだ。でも、そのときはやっぱり楽しかったな」

遊園地という空間がそうさせるのか。なぜか心は子どもに立ち戻り、時間も忘れてはしゃいでしまう。きっと、いまもそれは変わらないだろう。

「ジェジュン君は~?」

「小さいころはよく行きました。この職業についてからはなかなか行けなかったんで、今日はすごく楽しみです」

ジェジュンの言葉に幼い笑顔を浮かべ、楽しみだと何度も呟く。相当、遊園地が気に入っているようだ。その様子に3人は示し合わせたかのように微笑みを浮かべた。








続く。
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