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Close your Eyes ep.99-4



HP『Sweet Drops』用に書かれた作品になります。原文のまま転記したので長文になります、ご了承ください。


GWが近付き、やる事多すぎ・・・。ただいま職場は工事中です。GWもなんと工事・・・という事で、ほぼ出勤・・・こらー!
今のうちに更新準備しないと!って思いながらも、なんなのこの忙しさはー!な状況で、更新滞りました・・・。
まぁ。それもこれも、SHINee代々木のチケットないのにグッズ買いに行く暴挙をしたせいもある。しかも、連日買えないというまさかの事態。3時間も待ったのに・・・オーラスって怖いもんなんだなー、痛感。じゃんけん出来たからいいけどさ。でも、なにしに行ったんだ私と思った(笑)











産婦人科の独特な診察台。痛みのせいで意識が朦朧としているせいか、チュンジェはなんの抵抗もなくその台へと乗った。

「推測は当たりだな。出血箇所はここだ」

「です、ね…」

しかし複雑だ。そして罪悪感もある。ジフンは顔を背け、深いため息をこぼした。いったいどうやってみんなへ伝えればいいのだろうか。

「つまり、腹痛ではなく月経痛ということだ。原因がわかってよかったじゃないか」

「そりゃ、そうですけど…」

「とりあえず痛み止めの手配してくるから、ジフン先生はアレの手配を頼んだぞ」

「はぁ…」

頷いてしまってから、我に返る。冗談じゃない。そう言いたいのに、言うべき相手はすでに診察室を後にしていた。

もう、ため息しか出てこない。とりあえずチュンジェをこのままにしてはおけないと、ストレッチャーへと移動させる。服を調え、ジフンは憂鬱な気分で病室へと戻っていった。

「あ…」

タイミングがいいのか、悪いのか。たまたま通りかかった看護師にそう声をかける。不思議そうに首をかしげながら足を止めた看護師をちらっと見つめ、ばつが悪そうに顔を背けた。

「あの、さ…」

「はい?」

「アレ、持ってない…?」

あれやそれで通じるほど親しいわけがない。いぶかしむように眉根を寄せる看護師。ひどい貧乏くじだと思いながらも、どうしてもそれは必要な材料だった。

「生理、用品…」

「持って、ますけど…」

「ひとつ、くれないかな…?」

居心地の悪い沈黙が続く。当然だ。生理用品など、世の男性には縁のないものだ。それなのに、なぜこんなことを女性に言わなければならないのだろうか。恥ずかしさを通り越して嫌気が差してくる。

「ど、どうぞ…」

「あ、りがとう…」

理由を尋ねることもなく、なぜか同情に満ちた眼差し。余計に居心地が悪くなる。素っ気ないとは思いながらもジフンはすぐさま背を向けた。

病室へと入り、今日何度目かのため息をつく。そしてジフンは初めて手にするそれを不慣れな手つきでチュンジェへと装着させた。

「…」

とりあえずはこれでいい。しかし、ひとつでは足りるはずもない。申し訳ないとは思いながらもジフンはヘソンを呼び出すべく、携帯電話を取り出した。

「あ、ヘソン?悪いんだけど、買い物頼まれてくれないかな…?」

『おう、いいぞ。何を買ってくればイイんだ?』

ジフンの頼みをヘソンが断るわけはない。どちらかといえば役に立てると嬉々とした声だ。しかし、それはすぐに曇るだろうこともわかっていた。

「えっと…言いづらいから、メールでイイかな…?とりあえず、薬局に向かっててくれる?すぐにメールするから」

『よくわかんないけど、わかった。すぐ出るからな?』

「うん、よろしく」

なんとメールすればいいだろうか…。しかし、悩んだところでオブラートに包むこともできない。それに変に遠まわしな言い方をしてもヘソンには通じないだろう。

ここは思い切って直球で。ジフンはそう自分を奮い立たせ、勢いでメールを打った。そして読み返すことなく送信する。

「ヘソン、ゴメンね…」

この声は届かない。わかってはいるが、言わずにはいられなかった。携帯電話を静かに閉じ、再び息をつく。もうすぐカン医師が来て痛み止めの点滴をしてくれるだろう。あと、やるべきことはひとつだけだ。

「…」

もう、避けては通れない。素直にそのまま告げるしかない。そう何度も自分に言い聞かせながら、言われたとおり大人しく待っているジンの元へとジフンは向かっていった。

「ジ、ジフン兄貴…っ」

もう、不安で仕方ない。真っ赤になった瞳と縋るような眼差し。落ち着いて座っていることもできなかったようで、ジンは扉を開けるなり駆け寄ってきた。

「チュンジェはっ!?チュンジェはっ!?」

「とりあえずは、大丈夫だから…。一度、落ち着こうね?」

両手で肩にふれ、ゆっくりと座るように促す。そしてジフンは持ってきたレントゲン写真とMRI写真を取り出した。

「とりあえず、ジン。ひとつだけ先に聞いておきたいんだけど…」

「う…?」

「チュンジェ君はジンの”弟”なんだよね?」

涙を拭いながら、ジンはなぜいまさらそんなことを聞かれるのだろうかと首をかしげる。しかし問いかけに間違いはないと小さく頷いた。

「この写真を見てほしいんだけど…」

写真をはめた台に明かりをつけ、独特なモノクロ写真を見やすいようにする。そしてジフンはさきほどカン医師へそうしたように、指を差した。

「ここが精巣。わかる?」

「う、うん…」

「問題はこっち」

次に指差された箇所は下腹部の辺りだった。うっすらと浮かび上がるそれ。言われるまま指差された箇所を見つめていたジンは不安げにジフンを振り返った。

「これ、卵巣なんだ」

「らん、そう…?ランソウって、卵巣…?」

「そう。ジン、落ち着いて聞いて欲しいんだけど…」

落ち着いて聞けるはずなどない。わかってはいてもそう前置きをしておきたかった。きょとんとした顔で見上げるジンの頭を撫で、ジフンは複雑そうな表情を浮かべていた。

「チュンジェ君は、精巣と卵巣を持っているんだ」

「う…?」

「ギュナンドロイド…つまり、真性半陰陽」

難しい言葉を並べてみてもやはりジンには伝わらない。いや、わかってはいるが受け止めきれないだけかもしれない。

「チュンジェ君は、男の子のような姿をしているけど、女の子でもあるんだ」

「…」

「今回の腹痛は、女性特有の月経痛って呼ばれるモノだね。少し普通ではないから、それが人よりも強いみたい。いま痛み止めの点滴を入れてもらってる。痛みも月経が終われば収まるよ」

どんなに長引いても、月経が終われば痛みは引く。他に原因がないことから、それは間違いないことだった。ただ、問題はこれから月経のたびに痛みが伴うことだろう。

「ジン?」

ぽかんとした表情。何を尋ねるわけでも、何かを否定するわけでも肯定するわけでもない。ただ、呆然としているようだった。

その気持ちはよくわかる。説明はしているが、まだジフン自身理解も消化もできていない。できることならこれが夢であると言ってほしい。

目を伏せ、ため息をつく。たった一瞬、目を離した隙にジンの身体が不自然に後ろへと傾いた。しかし、気づいたときにはもう遅い。伸ばした腕は届かなかった。

受身を取ることも忘れ、真後ろへと倒れこむ。鈍い音が聞こえ、ジフンは思わず顔を背けた。

「オレも、できることなら気絶したいよ…」

医者としては失格に値する言葉。しかし、それは紛れもなく本心だった。もう何度目になるかわからないため息。ジフンは倒れたジンを抱き起こし、近くにあった診察台へと寝かせた。

「ホントに…次から次にいろんなコトが起きるな…」

退屈しないといえば聞こえはいいが、若干辟易としてくる。そろそろありきたりなほど平穏な日々が恋しくなってくる。

とりあえず、頭を整理しよう。そう心の中で呟き、ジフンは一服すべく屋上へと足を向けた。

いまは何も考えたくない。タバコの香りに身を委ねていると、現実へと引き戻すべく携帯電話が鳴り響いた。連絡があるとすれば、ふたり。着信を告げるディスプレイへ目を落とし、ジフンはまたため息をついた。

「もしもし?」

『…おい、このメールはなんだ?』

「それは…帰ってきたら説明するよ。とりあえず、学会終わったら病院に来て」

どうせならこの場で言ってほしい。早くても帰れるのは明後日の昼過ぎ。それまで答えを引き伸ばされるなど冗談ではない。

『いま言えよ。気になんだろうが』

「うん、だがら早く帰っておいで」

『…』

なにを言っても答えてくれる気はないようだ。電話の向こうから聞こえるため息。申し訳ないとは思いながらも、そうするほかない。いま伝えたところで真に受けてはもらえないだろう。

『これくらいは答えろ。誰に関するコトだ?』

「…ヴァネスの、大切な人とだけ言っておくよ」

それ以上は答えられない。次の言葉を聞く前に、ジフンは携帯電話を耳から話した。親指でボタンを押せばかすかに機械音が響く。再び、この場所には静寂が訪れた。

もったいつけるように、たっぷりと時間を取ってタバコを味わう。そしてジフンは再び階段を下り始めた。

あと何度、同じ説明をしなければならないのだろうか…。考える意味などないとはわかっていても、考えずにはいられない。

「あ…」

「ジ、ジフン…っ」

足元へ落としていた視界へ飛び込んできた一対の足。見覚えのある靴に顔を上げれば案の定、そこには彼が立っていた。

少し濃い色のビニール。そして中には紙袋。厳重だとは思いながらも、持っているものが特殊なだけに致し方ない。

「こ、これ、なんかのイジメか…っ?」

「イジメじゃなくて、本当に必要だったんだ」

疑うのも無理はない。自分たちにはまったく縁のないものだ。それでも言われたとおり買ってきてくれたヘソンにジフンは感謝の意味も含め、笑顔を浮かべた。

「こんなこと頼めるの、ヘソンしか思いつかなかったんだ。本当にありがとう」

真っ白な肌を鮮やかなピンク色に染め、潤んだ瞳で見つめてくる。両腕に抱えたそれを受け取り、ジフンはそっとヘソンを抱きしめた。

「なんか少し疲れちゃったな…。ちょっとだけ、こうしててもいい?」

抱きすくめられたまま、ヘソンが小さく頷く。ここはまるでオアシスだ。目を伏せ、そのぬくもりに触れていると幾分、肩の荷が軽くなったような気がする。

窓から差し込む光が、ふたりを照らし出す。重なり合ったふたつの影は誰もいない廊下にひっそりと浮かび上がっていた。










続く。
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