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Close your Eyes ep.100-4



HP『Sweet Drops』用に書かれた作品になります。原文のまま転記したので長文になります、ご了承ください。












予想していなかった来客。驚く5人の視線を受けながら、ふたりは同時に駆け出した。

「ジェジュン君~っ」

驚きながらも飛び込んできたその身体を受け止める。そしてジェジュンはそっと微笑んだ。

「ジン兄さん…っ」

初めてのクリスマス・イヴだというのに1日中仕事。スケジュールは過密を極めており、わずかな時間でも一緒に過ごすことを諦めていた矢先の出来事だった。

「ユ、ユノ様…あ、あの、久しぶりで…元気でしたか…?」

「は、はぁ…久しぶり、です…。とりあえず、元気…です」

どうにも堅苦しい挨拶だ。普通でいいとわかっているのだが、どうしてかこんな他人行儀なやり取りとなってしまう。おそらくは呼び方のせいだろう。

「ジン兄さん、今日はどうしたんですか?」

「ジェジュン君に逢いにきたの~。あとね、あとね、プレゼント持ってきたの~」

「ホントですか?」

嬉しさのあまり確かめずにはいられない。笑顔で頷いたジンは腕に提げていた紙袋を差し出した。

「クリスマスプレゼント~」

「ありがとうございます。僕もジン兄さんに用意してるんですけど、まさか今日来てくれるとは思わなくて…」

自宅に置いたままのプレゼント。前もって来るのがわかっていたなら持って来れたのに。そう思わずにはいられない。

「明日逢えるも~ん」

「はい、明日は必ず行きますから待っててくださいね?」

「うんっ」

絶対に何がなんでも陽が暮れるまでには仕事を終わらせる。それはジンの誘いがあったその日から決めていたことだった。

「あ、の…僕も、プレゼント…」

このタイミングを逃してしまったら、渡せずに終わってしまいそうだ。勇気を振り絞り、チュンジェは俯いたまま抱えていたそれをユノへと差し出した。

「オレ、に…?」

確かめずともわかりきっている。しかし、聞かずにはいられなかった。俯いたまま小さく頷くチュンジェを見つめ、恐る恐る手を伸ばす。

「あ、ありがとう、ございます…」

もらっていいのだろうか。悩みながらもそれを受け取れば、その様子を見ていたジンが満足げに笑う。どうやら機嫌を損ねずに済んだようだ。

「開けても、イイですか…?」

「う、うん…」

いったい何が出てくるのだろうか。クリスマスカラーに彩られたリボンを解き、包装紙を丁寧にはがす。そして出てきた白い箱を開けてみればそこには帽子がひとつ。

「これって…」

驚きがそのまま言葉となって現れる。窺うように顔を上げたチュンジェはそこに浮かんでいた明るい表情に安堵の笑みを浮かべた。

「ユノ兄さん、よかったね~。前、欲しいって言ってたヤツじゃ~ん」

仕事の渡航先で見つけて、一発で気に入った。しかしそのときは手持ちがなく買えずじまい。そのあと探してみたが同じものはどこにもなかった。

チャンミンの言葉に自然と笑みがこぼれる。悩みはしたが、買って正解だった。さっそく身に着けてくれたユノを見つめれば予想通りの姿に頬が赤らんでいく。

「すごく、似合う…」

「そうですか?ありがとうございます」

嬉しさのせいか、会話のぎこちなさが払拭される。違和感のあった笑顔が、いまはいつものユノだ。

少し離れた場所でジェジュンもまたもらったばかりのプレゼントを開けていた。それを丁寧に取り出し、そっと微笑む。

「絶対ジェジュン君にぴったりなの~」

やけに自信満々でそう言い切る。羽織ってみれば確かにぴったりだ。肩幅の割りに細いウエストライン。既成のものだと多少腰辺りが余るのにそれがない。

そして普通よりも少し長い着丈。スラックスも少し細めのデザインで、ジェジュンの体型に合わせて作られているようだ。

試しにと奥で一式を着込んでみる。本当に驚くくらいぴったりだ。

「カッコイイの~…っ」

「ジン兄さん、これってもしかしてオーダーメイドってヤツじゃ…?」

みんなの疑問をジュンスが思わず口する。思い描いていた通りの姿に見とれならジンは素直に小さく頷いた。我慢できずジェジュンへと駆け寄り、ぎゅっと抱きつく。まるで自分のものだと誇示しているみたいだ。

「よく、ここまでピッタリに作ったな…」

まるで一緒に買いに行き、採寸したようだ。しかし、ジェジュンの反応からするにそれは考えられない。首を捻る4人にチュンジェはそっと微笑む。

「兄さん、見ただけでサイズがわかるんだって。カメラマンだからって言ってたけど、ホントにカメラマンのひとってそんなコトができるの?」

できるわけがない。4人の頭の中で、即座に答えは決まった。しかし、実際ジンはできるのだろう。不可能だとは思いながらもジンならばやりかねないと思えてしまう。

「ジェジュン君、抱っこ~っ」

4人の心中などまるで気にしない。ジンの瞳にはジェジュンしか見えていないようだった。両手を広げて抱っこをせがめば、それに応えるように身体が浮かび上がる。

「ふふふ~。ジェジュン君、好き~っ」

擦り寄るジンに微笑み、そっと頬に口づける。もし、この部屋にふたりきりだったならばこの場で押し倒してしまいそうだ。

ちらっと時計を見遣る。撮影がおしているといっていたから、出番にはもう少し時間がかかるだろう。

「ちょっと出てくる。局内にはいるから、もしスタッフが呼びにきたら電話して」

ユノがチュンジェからもらったプレゼントへ現を抜かしている間に姿をくらましてしまおう。たまたま一番近くにいたユチョンに小声でそう告げ、ジェジュンはジンを抱えたまま静かに楽屋を後にした。

どこか空いている部屋はないだろうか。足早に進みながら、廊下の左右に連なる楽屋を眺める。ふと、飛び込んできた名前。それはさきほど帰ったはずの人だ。

ここならばしばらくは大丈夫だろう。いまはまだ、撮影が忙しすぎて楽屋を片付けている暇などないはずだ。そっと人目を避けるように部屋へと入り、小さく息をつく。

なんとか誰の目に触れることもなくたどり着けた。鍵を静かに閉め、ソファへと腰を下ろす。そしてジェジュンは抱きしめる腕に力をこめた。

「ジン兄さん…」

「う~?」

まるでコンサートが終わった後のような恍惚とした表情。視線は熱を持ち、瞳は浮かされたように潤んでいた。ついばむように口づければ、くすぐったそうに身を捩る。

かすかに声を立てて笑い、ジンはようやく我を取り戻したように辺りを見回した。先ほどまでチュンジェや他のメンバーがいたはずなのにいまはもうどこにもいない。

「あれ~…?チュンジェは~?」

「チュンジェさんならユノと遊んでますよ」

それならば心配は不要だ。しかし、いつのまにここへ来たのだろうか。部屋のつくりが一緒だったため、みんなが移動したと思っていたがどうやら違うようだ。

「せっかくのクリスマス・イヴです。少しの時間だけでもいいからジン兄さんとふたりきりで過ごしたかったんで、移動しちゃいました。…ダメ、でしたか?」

珍しく媚びるようにそう問いかける。ジンは慌て頭を振り、ジェジュンへと抱きついた。

「ダメじゃないよ~っ」

髪の隙間から見えた瞳がどこか悲しそうで、何度も懸命にそう告げる。予想通りの行動に自然と笑みが浮かぶ。

「来月、予定空けておいてもらえますか?」

「…?」

「なんとか、連休がもらえそうなんです。だから、約束どおり旅行しませんか?」

旅行という言葉に目が輝きだす。忙しい人だから半ば諦めていたせいだろう。コクコクと何度も頷き、幸せをそのまま笑顔に浮かべる。

「といっても、その間に仕事をひとつこなさないとなんですけど…。でも、2日もあれば終わりますから、3日くらいはふたりきりで過ごせます」

「どこ行くの~?いつ~?」

「来月、22日から30日まで。行き先はカナダです」

ジェジュンの言葉を繰り返し、頭へ刻み込む。そして覚えたと伝えるようにジェジュンを見つめ、幼い笑顔をこぼした。

「あと…年末年始2日間だけですけど完全オフになるんで、もしよかったらジン兄さんのお家にビークも連れてお泊りに行ってもいいですか?」

「うんっ!」

このニュースがまるでプレゼントのようだ。いまから楽しみで仕方がない。一度にこんな約束を交わすのも初めてだ。しかもどれも待ち遠しいほど楽しい約束ばかり。

「楽しみですね?」

ジン心を読み取ったように優しい笑顔でジェジュンが囁く。満面の笑みでそれに応え、嬉しさを隠し切れず口づけた。

そうしてしばらくふたりだけの時間を過ごしたジンは少しだけ寂しい想いを感じながらもテレビ局を後にした。何も予定がなければこのまま一緒に過ごすが、生憎と今日は予定がある。

「たっだいま~」

「ん、おかえり。早かったな?」

「うん。だって今日はみんなで夕飯食べに行く約束だも~ん」

大切な人たちとの約束をジンが忘れるはずもない。とりあえず、最後のひとりを探してキョロキョロしているとドンワンは意を汲んだように暗室を指差した。

ノックをすればすぐに応じる声が聞こえてきた。しばしの間をおき、ゆっくりと扉が開く。

「アンディ、クリスマスプレゼトント~っ」

「オレ、に…?」

「うん」

差し出されたそれをおずおずと受け取り、そっと微笑む。まさか自分にまでプレゼントを用意してくれているとは予想していなかっただけに、喜びも大きい。

「あ、ありがとう…」

「もうすぐエリック兄貴が迎えに来ると思うから、準備しておいたほうがイイよ~」

「うん、わかった」

この場でプレゼントを開けたいところだが、そうも言っていられないようだ。聞き覚えのあるエンジン音がだんだんと近づいてくる。

「ドンワン兄さん、続きは明日でも大丈夫…?」

「あぁ、急ぎのはねぇから心配すんな」

ほっと胸を撫で下ろし、微笑む。そしてアンディは手早く荷物をまとめ、もらったばかりのプレゼントとともに事務所を駆け出していった。

「エリック兄貴~、アンディ~、また明日ね~っ!」

窓から身を乗り出してそう叫べば、窓越しにふたりが振り返る。そして手を挙げて応え、ふたりを乗せた車は来た道を戻っていった。









続く。
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